
1 TANSO-3 (Total Anthropogenic and Natural emissions mapping SpectrOmeter-3)
TANSO-3では、これまでのTANSO-FTSとTANSO-FTS-2で採用していたフーリエ干渉型分光計から新たに回折格子型分光方式を採用します。GOSAT及びGOSAT-2では地球方向からの太陽による反射光を地表面10km直径の格子点状で観測しています。GOSAT-GWでは地表面を面的に観測する(プッシュブルーム方式)ことが可能となり、これまで観測が疎であった地点においてもより多くの観測点の取得が可能です。TANSO-3は、3つの異なる波長帯(バンド1〜3)に最適化された分光器により構成されています。バンド1ではNO2を、バンド2ではO2 (A-band)を、バンド3ではCO2、CH4をそれぞれ対象としています。また、TANSO-3では広域観測モードと精密観測モードの2つの観測モードを具備しており、広域観測モードでは911km以上の観測幅を10km分解能で、精密観測モードでは90km以上の観測幅を3km以下の分解能でそれぞれ観測することが可能です。プッシュブルーム方式と精密観測モードを組み合わせることにより、任意の地点における温室効果ガス及び大気汚染物質の高解像度での面的な分布(例えばある大規模発電所からの煙の広がり)を見ることが可能となるため、従来の観測ではとりこぼしていた未把握の個別発生源を検出できます。
2 AMSR3 (Advanced Microwave Scanning Radiometer 3)
AMSR3はAMSR2をベースとした後継機で、降雪や陸上での水蒸気観測が可能です。
SPECIFICATION
ミッション機器 | 高性能マイクロ波放射計3 (AMSR3) 温室効果ガス観測センサ3型 (TANSO-3) |
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衛星質量 | 約2.6t |
発生電力(EOL) | 約5,300W |
設計寿命 | 7年以上 |
軌道種別 | 太陽同期準回帰軌道 |
軌道高度 | 666km |
回帰日数 | 3日 |
通過地方太陽時 | 昇交点通過地方太陽時: 13:30±15分 (GCOM-W(しずく)と同様) |
打上げ年月日 | 2023年度(予定) |